この作品はあらゆる偏見がテンコ盛りです。その最たるものが“ジェンダーバイアス”です。
「まんぷくは」
・女はバカで大学を出ていようがそれを活かす仕事に就こうとしない。
・女は常に男の事ばかり考え女同士で喋り倒しているものだ。
・カワイイ女は常に男に都合のいい言動をする。
・婆さんは若い子に嫉妬する。
・ブスは美人に嫉妬する。
・女の敵は女。
・仕事ぉ~?そう言っても1人きりで男の家に行くのは女もエロも目的に違いない。
よくぞここまで爆弾を投下したもんだと感じます。そしてこの“ジェンダーバイアス”を盛り込んだエピドートこそが本作を壊しかねない決定打となるかも。それはなにか・・・
「妻が天ぷらを揚げてる姿を見て、チキンラーメンを想いついた」という展開です。
この話は安藤氏の自伝ですが、よく考えてるかなり怪しいのです。
「妻が天ぷらを揚げてる姿」については安藤氏の自伝を含め矛盾を感じます。
彼の言葉にすれば、家族の食事を作るほど台所に立っていた。
矛盾①それならば“妻”ではなく“自分”がという方が説明がつくのでは?
矛盾②ドラマでは無職なのに家事を手伝わない。無職なに手伝わないって?
「まんぷく」に描写では福子ばかり働かせ萬平さぁ~んは台所にたたない。
本来は得意だった料理を安藤氏の台湾ルーツと一緒に削除にした。
要は、当時の日本人にとって最も受け入れられやすい設定にした・・・ということでしょう。
現代社会ならばともかく、確かに当時の日本では、「男子厨房に入らずなんて死語が当たり前でした。そしてこの怪しいエピを踏襲した結果、色々と不自然が生じています。
早い話、日清側の言い分にNHKが乗っかったわけです。
そもそも本作は、なぜ萬平ではなく、その妻が主役なのでしょうか?
まんぷくでは、「妻が天ぷらを揚げてる姿がチキンラーメン発明のヒントだから」一点突破を狙ったのでしょう。が、それがかえって矛盾点を際立たせた感じです。
もしも本作が果敢にも“ジェンダーバイアス”に挑んでいればもう少しマシだったかも。
萬平には調理スキルがあり働く福子を励ますために、彼が天ぷらを揚げたならばそこは評価できたかもしれません。「だって昭和なんだもん」と周囲が言い張ろうが、そんなもん安藤氏には実際にスキルがあっとわけづすから、無視して描けたはずです。それなのに本作は安藤氏から調理スキルまで奪い去るという馬鹿げたジェンダーバイアス”で事態を悪化させた。なんでこんな悪手を打ったのか理解できません。
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