秋風編を視聴して】始まりは迫りくるバブル崩壊による時代の変化を感じる頃、鈴愛の人生に大きな影響を与える秋風羽織との出会う。それをたった一話で描いてしまう。実に無駄の無いプロの脚本だと思います。 鈴愛のどこに秋風と対等にやり合うだけの力があったのか、鈴愛の規格外さを見せるための作家&演出が意図した鈴愛のタメ口セリフのだったと想像します。そして18歳にして豊川さん演ずる秋風羽織と十分やりあった演技を見せてくれた永野芽衣さんも規格外の才能の持ち主です。 秋風羽織(本名美濃権太)このネーミング大爆笑です。こういうセンスの良さにも北川先生の才能の凄さを感じます。 秋風先生と言えば人嫌いの寂しがり屋の偏屈者で犬だけが友達の変人タイプ。でも根は弟子想いの優し人です。秋風羽織演じるとトヨエツさんは一年間じっくり北川先生と膝を突き合わし役を作り上げたそうです。二人の絶対的な信頼関係があってこそ秋風羽織はトヨエツさんにかできない魅力ある役になったと思います。人間嫌いの変人が鈴愛や弟子との交流のよってどう変わっていくのかは、このシリーズの重要な要素だと思います。
ボクテの裕子の秋風を慕う想いが次第に秋風のこ氷のように固く閉ざした心を溶かしていき鈴愛の破天荒な性格が秋風の心に風穴をあけた。この3人によって最後には自分の元から飛び立つ弟子たちを想い涙を流す人らしい感情をみせる。鈴愛が秋風に暴言に近い言葉を浴びせても直ぐにボクテと裕子がフォローする。2人のフォローがなければ秋風は普通にいられなかったと思おう。 菱本っちも言っていたが鈴愛は秋風の心に刺激を与えるが、秋風が秋風羽織としていられるのはボクテと裕子のフォローがあったからでは。3人の弟子たちによって秋風羽織は大きく変わっていったのは確かではないでしょうか。
秋風編を語るのは忘れてはいけない人物と言えば裕子とボクテの二人。ボクテは鈴愛が秋風塾での最初の味方で、3人の誰よりも秋風羽織を敬愛していて誰よりも才能ある人物。自分がゲイでであることオープンに語ることのできる心純粋な好青年です。裕子は最初、次第に味方が増える鈴愛に嫉妬します。そんなある夜、性格的な甘さを鈴愛に指摘したことから喧嘩になってしまいます。そこに「これ以上の喧嘩はクビになる」と止めに入ったのはボクテです。裕子言葉に鈴愛は自分の家族や律への甘えに痛いところつかれたと自己嫌悪に陥ります。主人公のライバルキャラが主人公の持つ無自覚な嫌味プリと甘やかされプリに突っ込み喧嘩する話はあるあるですが嫌いではないです。この喧嘩をきっかけとなり裕子も鈴愛の存在を認めていくようになり3人は生涯のよき仲間となります。 鈴愛、裕子、ボクテの関係が、時には律にでさえ踏み込むことできないほど特別なのは、同じ時期に同じ夢を共に追いかけてた強い絆で結ばれた戦友でもあり、鈴愛にとって一番つらい時期に傍にいてくれて励まし支えてくれた大切な親友でもあったからです。
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